鉢を選ぶとき、素材の話はたいてい最後に出てきます。形が気に入って、サイズが合って、それから「これは何でできているのか」を確かめる。順番としては、ごく自然です。
けれど素材は、鉢の性格をいちばん深いところで決めています。水の抜け方、手に持ったときの重さ、置いたときに空間へ出る質感。そのどれもが素材から始まっています。
LOGO ECO POT は、古紙60%・ポリプロピレン40%の環境配慮素材でつくられた PLANT POT です。なぜこの配合なのか。装飾を削いだ最小構成に何を託したのか。素材から順に見ていきます。
この記事の要点
- LOGO ECO POT の素材は古紙60%・ポリプロピレン40%。グリーンマークを取得した環境配慮素材です。
- 軽さは数字以上に効く。SIZE S は約130g、SIZE M は約150gで、置き場所を変えながら育てられます。
- 装飾を削いだ最小構成は、株の輪郭だけを前に出すための設計です。
素材を決めることは、鉢の性格を決めること
鉢の素材は、見た目の好みの話にとどまりません。素焼きは鉢壁からも水分を逃がし、釉薬のかかった陶器は壁面から水を通しません。同じ形、同じ号数であっても、素材が違えば乾くまでの時間が変わります。
そして素材は、重さも決めます。重さは「置き場所を変えられるかどうか」に直結します。日照を追って棚の上段へ動かす、冬のあいだ室内へ入れる。アガベや塊根植物の管理は、季節ごとに置き場所を見直す作業の積み重ねです。持ち上げるのに気構えが必要な鉢は、その見直しを少しずつ遠ざけていきます。
鉢の素材を選ぶことは、植物とどう付き合うかの設計でもあります。サイズ・素材・内部構造から鉢を選ぶ基準については別の記事で整理しました。ここでは、LOGO ECO POT が選んだ一つの答えを見ていきます。

古紙60%・ポリプロピレン40%という配合
LOGO ECO POT の素材は、古紙60%とポリプロピレン40%です。再生紙だけでは水や土に触れ続ける環境に耐えられず、樹脂だけでは古紙を活かす意味がなくなります。この配合は、その両方を一つの鉢に収めるための比率です。
| 構成 | 比率 | 担っているもの |
|---|---|---|
| 古紙 | 60% | 再生資源としての主材。光を吸うマットな表面と、軽さをつくる |
| ポリプロピレン | 40% | 水と土に触れ続ける環境を前提にした強度。鉢としての耐久性を受け持つ |
結果として生まれたのは、硬質でありながら光を吸い込むマットブラックの表面です。艶のある鉢は、光を反射した一点に視線を集めます。LOGO ECO POT の表面は反射を持たないため、視線は鉢の上で止まらず、そのまま株の輪郭へ抜けていきます。
グリーンマークは、素材の履歴を示すもの
LOGO ECO POT の素材は、グリーンマークを取得しています。グリーンマークは、古紙を原料に用いた製品に表示されるマークです。つまりこの鉢の表面には、一度使われた紙がたどってきた履歴が含まれています。
環境配慮素材という言葉は、ともすると性能を我慢する理由として使われます。LOGO ECO POT では、そうした位置づけにしていません。古紙を含む素材は軽く、マットで、硬質な都市の空気に馴染みます。素材としての素性がそのまま鉢の表情になっているから、この配合を選んでいます。
Cultivate The Urban. 都市を耕すという言葉を掲げるブランドが、都市から出た紙を鉢に戻す。素材の選択は、コンセプトの延長線上にあります。
軽さは、置き場所の自由につながる
LOGO ECO POT SIZE S は約130g、LOGO ECO POT SIZE M は約150gです。土と株が入れば当然重くなりますが、鉢そのものの重さがここに収まっていると、片手で持ち上げて向きを変える、水やりのあとに場所を戻す、といった動作が軽くなります。
| アイテム | 号数 | 外寸 | 重量 |
|---|---|---|---|
| LOGO ECO POT SIZE S | 3.5号 | 約φ110mm × 高さ80mm | 約130g |
| LOGO ECO POT SIZE M | 4.5号 | 約φ130mm × 高さ100mm | 約150g |
軽さには、気をつけたい面もあります。株が小さいうちは重心が高くならないぶん安定しますが、風の強いベランダでは鉢ごと動くことがあります。受け皿を併用して接地面を広げるか、株が育って土の重さが出るまでは風の当たりにくい位置に置くのが確実です。

底穴から抜けた水が受け皿に溜まったままになると、せっかくの排水が機能しません。LOGO SLIT PLATE はスリット構造で鉢底を皿面から浮かせる受け皿です。腰水管理との使い分けは受け皿を変えるだけで、根の環境は変わるで詳しく書いています。
装飾を削ぐ、という設計
SOCIAL PLANT WORKS の PLANT POT には、稲妻状のスリットラインを持つ POT THUNDER や、多面スタッズが光を分割する POT STUD のように、造形で語るモデルがあります。LOGO ECO POT はその対極にあります。ロゴだけを残し、あとはすべて削いでいます。
アガベは、それ自体で完成した造形を持つ植物です。ロゼットの配列、鋸歯の張り出し、トップスパインの角度。情報量はすでに十分にあります。ここに情報量の多い鉢を合わせると、視線の行き場がなくなります。
LOGO ECO POT が担っているのは、主張ではなく余白です。株を置いたときに鉢が後ろへ下がる。それが、この最小構成が引き受けている役割です。
- 株の葉張りに対して、鉢が一回り小さいくらいに収まっているか
- 底穴から抜けた水が、受け皿に溜まり続けない状態になっているか
- 鉢の表情が、株の情報量と競い合っていないか

よくある質問
古紙を含む鉢は、水に弱くないですか?
素材の40%はポリプロピレンで、水と土に触れ続ける環境を前提につくられています。通常の水やりで想定されている強度があります。ただし古紙を含む素材ですから、長期間水に浸したままにする使い方は向きません。鉢底から抜けた水が受け皿に溜まり続けないようにしておくのが確実です。
屋外でも使えますか?
屋内外を問わず使えるつくりです。ベランダや屋外の棚でも問題なく使えます。ただし軽量なので、風の強い場所では鉢ごと動くことがあります。受け皿と組み合わせるか、株が育って土の重さが出るまでは風の当たりにくい位置に置いてください。
SIZE S と SIZE M は、どちらを選べばいいですか?
株の葉張りを基準にします。葉張り10cm前後までの小株や実生株なら3.5号の LOGO ECO POT SIZE S、葉張りが15cm近くまで育った中株なら4.5号の LOGO ECO POT SIZE M が収まりやすいサイズです。迷ったときは、いま使っている鉢から一号だけ上げる。この刻み方がいちばん失敗の少ない選び方です。
表面の質感に個体差はありますか?
古紙を原料に含むため、製造工程上、表面にわずかな個体差が出ることがあります。同じ型でも、光の当たり方で質感の見え方が変わります。工業製品としての均一さよりも、素材そのものの表情を残す方向で仕上げています。
素材は、植物と過ごす時間の長さを決める
鉢は、一度選べば数年そのままです。そのあいだ毎日目に入り、水やりのたびに手に触れます。素材を選ぶというのは、その時間の質を選ぶことでもあります。
LOGO ECO POT は、都市から出た紙を鉢に戻し、装飾を削ぎ、植物の輪郭だけを残すためにつくられた PLANT POT です。LOGO ECO POT SIZE S と LOGO ECO POT SIZE M、そして PLANT POT の一覧から、いまの株に合う一つを選んでみてください。